やたら意識の低い映画の感想「さらば、わが愛 覇王別姫」
始めてこの映画を観たのは、大学生のときでした。
始めて観てから、この映画を何度も何度も観てました。
それくらい大好きな映画だったんですが、最近夫と一緒に観たので改めてその感想です。
改めてみると登場人物が9割クズ
結構な割合でクズ。
この映画のあらすじを簡単に言うと、
文化革命前~文化革命期の中国を舞台としている。京劇の女形の弟弟子と京劇の英雄役の兄弟子の二人を中心として、その時代背景と共に、二人の成長や関係性の変化を描いた作品。
京劇の作品なので、もちろん京劇を演じるシーンも出てきて、映像美もスゴイし、画面から溢れんばかりの赤や黄色と言った極色彩は、色の洪水と言わんばかりに観るものを圧倒します。映像美だけでこの映画を論じるなら、間違いなく高得点です。
しかし、ストーリーがドロドロを極めたドロドロ加減と言うか、
いきなり出てきた娼婦と本作のヒロイン(男)が男を取り合ったり、
酒、ギャンブル、麻薬、密告、家庭内暴力、といった
クズ行為のオンパレードが後半1時間半続きます。
クズの出血大サービス。
「取りあえず、その男はやめとけ…」
「勝ち目のない恋愛をするんじゃない…」
視聴者はそんな忠告をヒロイン(男)に言いたい気持ちを抱きながら物語は進みます。
その間もヒロイン(男)は健気に尽くす尽くす尽くす…
もう見ていて気持ちが痛くなってくる程の「耐える女」っぷりを発揮する。
しかし、悲しくなるほどにライバルが強い…。
「やっぱりそんな男やめとけって言っただろ~!!!」
っていう気持ちが終盤頃になって爆発すると思います。
でも恋愛ってそんなもんです。
引き返せない泥沼にはまることこそ恋愛の醍醐味なのかもしれません…。
とは言ってもこの映画、見終わった後に、
「あぁ…確かにあの二人はあの時代に居たのかも」
と思わせるような虚実皮膜を上手く突いた物語です。
重苦しい内容ですが、目を離せない内容となっています。
映像美だけでも一見の価値はあると思いますので、
気になったらぜひご覧になってください。